日本100名城

美的センスの良い石垣ナンバーワンは? 新宮城

城郭マニアの中でも、石垣フェチはかなり多いはずです。
例えば、熊本城、丸亀城、松山城、竹田城、などは石垣の聖地とも言えるでしょうし、
江戸城も城普請で各国大名が争うようにして石垣を築いているため、江戸城や、日本橋あたりから堀川巡りで見ていくと様々な石の形、色、などが見られて非常に面白いです。
そして、このヒコシンラボのブログ記事で取り上げました通り、岡城の石垣も、とてもマニアックな城としてナンバーワン!です。
今回は、ヒコシンラボ独自目線!とあるナンバーワンに輝いた続100名城スタンプラリーのガイドブックに掲載されている「新宮城」を取り上げたいと思います。

美的な細部へのこだわり!

石垣の積み方は、年代を重ねるごとに技術がアップしていきますが、
新宮城は技術を越え、細部にこだわった石への愛着が見て取れます。
分かりますでしょうか?この石垣の一つ一つが垂直面に対して、なだらかに盛り上がっています。
わざわざこんなことをしなくても、石垣としての役割を果たせばいいのではないか、
と思ってしまいがちですが、ここにこだわる美的センスがいいですね。


美しいカンナ捌きです。


こちらは浅野期の石垣でしょう。荒削りではありますがいい景色ですね。


ここは出丸付近です。
コンパクトながらも非常にたくさんの見所がたくさんある石垣でした!

熊野川を望む圧倒的存在感

新宮城の独立した出丸は熊野川へと突き出しています。
江戸の元禄期、紀伊水野藩の新宮城は、水運の要所であり、紀の国(木の国)ですから熊野の材木の本場です。
水野藩は備長炭を発明し藩の専売として、この新宮から水運を利用し江戸に運んだわけです。
現代で言う石油王の如く潤った!とも言われています。


崖っぷちの下には、墨小屋があったそうです。
ここから先に足を踏み入れると危なすぎますね。

中世〜近世の石垣の美的細部へのこだわりと、熊野川の美しいエメラルドグリーンの眺め、また行きたくなるお城です。

なんとこの日はラッキーなことに、新宮周辺の和歌山の日本城郭史学会の小渕伸二さんに
新宮城を案内していただくことができました。
続100名城のスタンプを集めていますと、お話ししたら、私のような初心者に丁寧に説明を頂きました。
大変感謝しております。
今度はご一緒に美味しい食事と美味しいお酒を堪能しに伺いたいと思います!

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