日本100名城

天守閣がなくても素敵な城 ナンバーワンは? 岡城

天守閣がないにも関わらず魅力的なお城はどこですか、と聞かれることがありますが、そういうとき私は、決まって「岡城」と答えます。
城をめぐる旅の初級編というか、みんな、お城イコール建物だと思っていますよね。天守閣がない時点で、城じゃないでしょう、行く必要ないでしょうと思ってしまいがちです。でも、残された見事な石垣に一見の価値があるのです。

岡城は、大分市から阿蘇方面に向かう途中で立ち寄れます。
訪れる際には、「湯布院・日田経由」ルートも捨てがたいのですが、岡城に立ち寄るなら「豊後竹田ルート」を選んでください。

岡城のみどころ

なんといっても「石垣」が魅力です。
400年君臨した難攻不落の幻の城といわれる所以です。反り立った石垣を対岸から望むも良し、石垣の先端から九重連山を望むも良し。まさに断崖絶壁の絶景を楽しめます。
個人的に、日本100名城の天守閣「無し」の城ランキングは堂々の1位です。

普通に、石垣ナンバーワンといったら、たぶん熊本城になってしまうでしょう。
熊本城の石垣もすごいんですけど、熊本城は街中にあります。一方、岡城は山の中にあるので、当時、城を造るのはこちらのほうが大変だったんじゃないかなあと想像します。

こんな場所は領地としていらなかったかのでは?とも思いますが、実は結構重要な要所なんです。
熊本の殿様は、江戸に向かう際、おそらく九州の大分の港から瀬戸内海の大阪の方に船で抜け、そこからまた江戸へ陸路を行くようです。だから、岡城がある豊後街道(現在の国道57号線)は陸路で絶対に通るらしいのです。

岡城に実際に行ってみるとわかるんですけど、石垣には柵も手すりも安全設備は何もないんです。だから、ちょっと足を踏み外したら、簡単に落下してしまいます。でも、これまでに観光に来て命を落としてしまった人はいないらしいです。

なお、写真撮影をするなら、安全のために少なくとも2人以上で登城することをオススメします。石垣は、断崖絶壁による絶景で、見とれて撮影しているうちに転落しないよう十分注意が必要です。

廃城になる前は栄えた城郭だったようですが、明治維新後の「廃城令」によって建造物は破却され、「荒城」となったのでしょう。
滝廉太郎の「荒城の月」という歌がありますが、このお城はその歌の舞台で、歌われている”荒れた城”こそまさに岡城のことです。二の丸跡には滝廉太郎の銅像もあります。
入場料は300円。お手頃サイズの巻物型をした案内書付きなのでお得感があります♪

(参考)
「国指定史跡 岡城跡」公式サイト:https://okajou.jp/

岡城周辺のグルメ

岡城址から豊後竹田駅方面に向かう途中に、大分名物「とり天」がとっても美味しい定食屋さんがあります。コスパ最高のメニューが数々ありますので、ぜひ味わってみてください。

(参考)
丸福株式会社:http://taketa-marufuku.com/
食べログ:https://tabelog.com/oita/A4401/A440102/44001049/

私は、あまり人が行かない場所が好きなので、どこの城がいいかと聞かれたら、それこそ姫路城だ、熊本城だ、大阪城だ、名古屋城だとはあまり言いたくないです。思い切り大都市なので。自分自身ひねくれものであるから。
逆に、この岡城がある豊後竹田は、ひっそりとした小さな街なので、ほんとうに素朴でいい感じなんです。みんなが知らないところを紹介することは、旅する人だけでなく、この街のためにもなるんじゃないかと、勝手ながら思っています。

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