個人的にですが、高知県というとなかなか行ったことがないという県ではないでしょうか?
四国の玄関口は、本州と橋でつながっている徳島県(鳴門海峡大橋・大鳴門橋)・香川県(瀬戸大橋)・愛媛県(しまなみ海道)となり、高知県は陸路において、その3県を経由しなければならなく遮断されています。もちろん海路でしたら、外海に出やすいため全く逆となります。
私にとって、そんな高知県は、毎年1~2回は訪問するヘビービジット(Heavy Visit)な県です。
では、いったいどこに魅力を感じるのか?
一言でいうと「身近」な感じや「親しみやすさ」かもしれません。要するに「よそよそしくない」(笑)
初めての訪問は中学2年生の修学旅行時で、毎年訪問するようになったのは2003年の頃から。
最初に就職した会社を退職し、1か月間のバカンス(?)で、親友と西日本を壮大に旅行していた時に立ち寄りました。
高知の人は義理人情にも厚い
大分県の佐伯から、高知県の宿毛へとフェリーで移動し、足摺岬や四万十川を観光して高知市内入り。
その夜の夕飯処のため、宿近くの酒屋で情報収集し辿り着いたのが「旬菜いとう」です。はりまや橋と高知駅の間の静かなところにある、安くておいしい小料理屋さん。
Heavy Visitになった理由が何を隠そう、この「旬菜いとう」なんです。
私は余所者のくせに早い時間に入店したため、何も考えずにカウンターの特等席に座ってしまいました。
カウンター常連客からすると「見知らぬ県外のヤツがおる」になるでしょう。
そんな珍しいヤツを店の女将さんが紹介してくださり、一緒に酒が進むうちに、いつの間にか「呑みともだち」になってしまいました。カウンター全体で一体感が増し、その他座敷のお客たちもいつのまにか乱入し全店で大盛り上がりに!
これって、地方ならではの気質?いや、高知県は更に特異な気質だと思います。そこに私は魅力を感じます。また、高知の人は義理人情にも厚い。酒席の上での約束をしっかり果たしてくれます。
それ以来、高知市訪問の際は必ず寄らせていただいています。
また、このお店での出会い・縁によって、現在では高知市の他、土佐市・四万十市にも訪れています。
四万十川を楽しむならここ!
四万十川には、いつもカヌーなどを楽しみに行くんです。
場所は四万十川の中流で、四万十市と宇和島の間にある江川崎(えかわさき)という町です。2013年に、日本最高気温41.0度を記録したところなんですよ。
ここは、景色が独特な雰囲気なんですよ。切り立った山の谷間の町があって、四万十川が流れていて、谷に沿ってくねくねくねと集落があるようなところです。
四万十川は最後の清流。生き物が豊富です。アユもたくさんいますし。おいしいものがいっぱいあって、天然のうなぎが取れる場所があったりします。手長エビ、手のところが長い川エビなんですが、固いけどカリカリしておいしい。すごく希少価値の高い川の食べ物です。また、栗の産地でもあり、ぽっぽ栗という焼き栗もあります。
四万十川の特徴として上流にダムがないので、山で雨が降っちゃうとそのままザーッときてしまう。自然を楽しめる反面、雨降ったらもう逃げなきゃといった具合に危険な川ですね。
景色で有名なのは沈下橋と呼ばれている橋です。この橋は、上流で大雨が降った時に、鉄砲水がきても欄干が破壊されたりしないように作られたものです。ほぼ毎年行っていますが、たまに橋の一部が流されなくなっていて、歯抜け状態だったときも2回くらいありました。
いつも遊んでいる場所は、長生(ながおい)沈下橋というのですが、ほかにも、半分の家と書いて半家(はげ)沈下橋というのがあったり、岩間沈下橋というのがあったり、沈下橋は何十個もあります。
地元の人たちは沈下橋のところから、度胸試しではないけれど、川遊びで上から飛び込むというのをやっていたらしいです。最近はどこかの大学生が亡くなってしまったので禁止令が出ました。全国ニュースにはなっていないけれど、けっこう事故があるようです。川は海と違って浮力がないので危ないですから、遊ぶにしても注意しなければと思います。
四万十川の支流で黒尊川があって、これは見事にキレイで、黒尊ブルーと呼ばれています。
ここの透明度は抜群。水面にボートを乗っけておくと、影が川底にうつるくらいキレイ。
黒尊は生活排水が流れ込んでいないので、ここで川遊びをする地元の人たちが多いですね。県外の人は黒尊川を知らないです。夏場は結構冷たいので気持ちいいですよ。
家族でも行っていますが、大人も子どもも楽しめますよね。カヌー館もあるからカヌーも借りられます。
いい歳したおじさんが童心に戻るにはいいところです。
おみやげもすごくよくて、道の駅なんかも充実しています。一番新しいのは「道の駅 よって西土佐」です。「道の駅四万十とおわ」は、道の駅のはしりみたいなところで、レストランもきれいで、四万十川が見えるテラス席があって、物産展みたいなマルシェみたいになっていて、すごく充実しています。
道の駅よって西土佐 https://yotte.jp/
道の駅四万十とおわ http://shimantotowa.com/40010/
四万十川で獲れる巨大なうなぎにビックリ!
いつもお世話になっている、酒井さんという方がいます。
この酒井さんは、建具屋の社長なのですが、アユの網投げも上手だし、うなぎの仕掛けも上手だし、漁師さん顔負けなくらい、川の漁が上手なんです。
四万十川で酒井さんに獲ってもらったうなぎは別格!普通の太さの数倍もある巨大なうなぎでした。
開きで焼いたら、何じゃこれっていうくらいの肉厚で、うなぎがすごすぎて!脂がいっぱいのっていて、塩わさびで、一番のうなぎをいただきました。カヌー館の下で焼くのも、とても風情がありいいですよ。
天気がめちゃくちゃ悪くて川の水が増水した状態のときに獲れたうなぎが一番おいしかった。現地に住む人でも生涯で一番おいしかったというくらいです。
高知は、魅力の引き出し方がうまい!
やはり高知県って、9割が山地なので、四国の他の県にくらべると雰囲気が違います。
カツオや坂本竜馬などで知名度があるけれど、飛行機の本数も、高松や松山に比べると少なかったりするので、意外に行きにくかったりします。そこに“あこがれ”を感じたりします。
そういった中で、馬路村(うまじむら)という村があります。
高知の東にある小さな山間の村なんですよね。ここは「ゆず」で大ヒットした村なんです。ジュースやドレッシングを作ったりして、商品が素晴らしいので、全国展開して知名度を上げました。それからは、いろいろな市町村やお土産屋さんが、視察に来ていると聞きました。
高知の人たちって、そのストロングポイントに特化して、プラス、万人受けするように、若者受けするように、女性受けするように、デザインやパッケージにも非常に力を入れているんですよ。
ですから、県外の私たちが行ったら、いいなー、欲しいなーと誰かに広めたいと思うようなものが高知県には結構そろっているような気がします。
それこそ海でとれた室戸の塩も、ミネラル豊富な海洋深層水を特長としてバスソルトに展開してヒットしています。うまい具合に引き付ける。
それこそカツオも、塩たたきという食べ方でとても人気が出ました。
トマトもです。嫌いな人でも、高知のトマトゼリーなら食べたりします。とにかくそういうのが上手です。
ちなみにゴルフ場もです。黒潮カントリークラブは、カシオワールドオープンの開催コースにしたら、知名度がバーンと上がって、いつの間にか高いゴルフ場になってしまっています。非常にユニークな気質が昔からぶれていないというか、おもしろい県ですね。
そして、高知の人って、結構、人懐っこい方が多いです。他の県に比べると、とっつきやすいのです。